もとようニュース

元岡幼稚園園長 針間 徹

読書の秋

「実りの秋」「収穫の秋」「食欲の秋」など、秋については様々な言い方があります。保護者の皆様は、どんな秋を思い浮かべられるでしょうか。

 さて、幼稚園では、芋掘りや運動会などを秋の行事として予定していますが、室内では、紙芝居や本の読み聞かせも機会があるごとに行っています。今回は「読書の秋」にちなみ紙芝居や本の読み聞かせの効用についてお知らせいたします。

読み聞かせは、0歳からでもできるといわれ、言葉が分からない子どもに対してもスキンシップを図りながら音などを一緒に楽しむことができる活動と言われています。

 特に、子ども達の言語能力や認知能力、社会性等、学校への準備に良い影響を与えることが、多くの研究により明らかになっています。脳科学の研究でも、言語をつかさどる脳の部分が、読み聞かせによって発達することがわかってきているそうです。

 元岡幼稚園の子ども達も紙芝居や本を先生から読んでもらっている時、静かに集中して聴いている姿が見受けられます。朝の時間、帰りの時間、保育中など本の読み聞かせの場面はよく見られます。

 ご家庭でも読み聞かせをされてみませんか。読み聞かせは、次のことに気を付けながら行うと効果があるそうです。

  • 数分だけ、一部だけでもよいので、できるだけ同じ時間帯に行う。

夜の寝る前の本読みは子ども達が好きな時間といわれます。

  • 2歳児は、たくさん擬音を使っているお話、動物や乗り物などが出てくる本に興味をもち、3歳児以上は、ストーリーのあるもの、子どもの生活と関係があるようなものなどに興味をもちやすい傾向があるといわれています。しかし、その子の興味にあった本であればその本を読み聞かせすることが最も効果があるようです。
  • 本通り進まなくても、子どもの興味のあるところで止まったり、付け加えたりして会話を楽しむように進めるのもよいようです。

 6月の園だよりでもお知らせしましたように、スマホ等の使用時間が長くなり、子どもに対して使用時間を決める諸外国や地域が出てきている現在、本の読み聞かせは、子どもを守り、親子のコミュニケーションを増やし、信頼関係の基礎を築いていく上で効果のある一つの方法であるのかもしれません。