子どもの味覚について―園の食育―

子ども達は毎日の給食を「おいしい」「大好き」と食べる姿がみられる一方でなかなか口を付けない姿も見受けられます。同じ給食なのに反応が子どもによって違います。これは一人ひとりの味覚が異なるからです。

味には「甘味」「旨味」「塩味」「酸味」「苦味」の5つの基本の味がありますが、人は舌にある「味蕾(みらい)」という器官で味を感じとります。「甘味」「旨味」「塩味」は一般的に「体に必要な食べ物」として本能的に好まれる味と感じ、「酸味」「苦味」は「危険な食べ物」として本能的に苦手な味と感じるそうです。しかし、この「酸味」「苦味」は、何度も食べる経験をして慣れ、やがて様々な味を受け入れることができるようになり、いろいろなものを味わうことができるようになるといわれます。また、人の味覚は3歳から10歳ぐらいまでに大きく発達し、味を感じとる「味蕾」は乳幼児に多く、大人になると減っていくそうです。いろいろな味を味わっているのは大人より子どもの方かもしれません。大人は、子どもより鈍感になっているといえるのかもしれません。ですから、大人が好む濃い味付けで子どもが味わい慣れると、その食材がもっているそのものの味がわからなくなるばかりか、内臓に負担がかかり、生活習慣病につながりやすくなります。苦手な子が多いといわれるピーマンやなす、ゴーヤ、レバーなども少しずつ食べるようにすれば、その後のいろいろな食べ物を味わうことができ、体に良い栄養を摂取することにもつながります。

濃い味だけでなく、塩気の多いものも注意を要します。WHO(世界保健機関)によると一日の塩分の目標摂取量は5gですが、日本人は平均約10gを摂取しているといわれていますので控えないといけないそうです。子どもの時に塩分の多いスナック菓子などを食べることは、その味に慣れてしまうので、できるだけ控える方がよいということはよく聞きます。

好きなものをいろいろ食べるのはよいのですが、苦手なものを食べるようにするためにはどうすればよいでしょうか。実は、食べることは、味だけでなく、みんなで楽しい雰囲気で食べることも大切なことと食育の専門家はいいます。

友達と楽しく食べている時、苦手なものを食べている友達の様子を見て自分も食べてみようとチャレンジし、食べることができるようになることがあります。

元岡幼稚園でも楽しい雰囲気でいろいろな食材を提供し、園児たちの味覚を育てるように努めています。無理やり食べさせるのでなく、給食時間を10分以上は伸ばさないようにし、できるだけ楽しい雰囲気の中で苦手なものを克服するよう取り組んでいきたいと思います。

梅雨時期の衛生管理

6月になると、雨が多くなり、じめじめと湿度が高くなります。カビなども繁殖しやすくなり、いつもより体調管理や衛生管理が必要な時期です。現在コロナウイルス感染症防止で、消毒や手洗いをするようにしていますが、0-157やノロウイルスなどにも気を付け、食事の前は丁寧に石鹸での手洗いをするなどしていきたいと思います。

ご家庭でも体調や衛生の管理をよろしくお願いします。