参観は子どもの良さの発見

元岡幼稚園 園長 井上健一

4月19日11時10分からの参観はとても気持ち良いものでした。
保護者の方々が我が子やまわりの子ども達の姿をしっかりと見つめる、素晴らしい時間になりました。それは保護者の方々も活動していたからです。
具体例をあげますと「はさみをお子様とご一緒に」という場が設定されていました。「はさみをご一緒に」と言われ、「我が子ははさみを安全に使うことができるだろうか」などのドキドキ感が生まれたのではと推察します。その結果、紙を持ってあげる方、はさみの技能について、誉めてある方などの姿が見られうれしく思いました。

  • はさみが立ち、上は親指、下の穴には中指と薬指、若しくは、小指も入れ、人差し指を穴の前に置く。
  • 姿勢良く、体の真ん中にはさみを持ってきて、右利きは左側に紙を、そして紙を持つ左手の親指が、はさみのそばにくるようにしている。
  • 開き閉じのパーグーがゆっくりで、歯の根元を使って切っている。
  • 使い終わったらケースにしまっている。

等々の良さを見つけ、誉めてある姿がありました。

参観とは、自己肯定感を高めるためにあると思っています。
参観後には、「誉めること」そして「話を聞いてあげること」が大切です。
我が子の良さは、写真をとっていたら見えません。
目をそらさずにじっとみることで、我が子の良さの発見ができるのです。

例えば折り紙がうまく折れなくても、だんご虫をつまみ上げられなくても、最後まで諦めずに取り組んだことなどしっかりと誉め、その時の気持ちを聞いてあげるなどの対応が、心豊かでたくましく生きる力を引き出し、高めていくのです。
また、「先生のお話をよく聞いていたね」「お友達に教えていたね」など誉めるポイントを沢山見つけ出すことが、保護者の役目になります。さらに、お子様の表情にも注目しましょう。
「すごく楽しそうにしていたね」という言葉が、得意分野を増やしていくかもしれません。

参観を終えて母親に視線を送ると、親としっかり目が合ったという体験がある子どもは、大きな自信と安心感を持つことでしょう。
廊下から見るのではなく、赤ちゃんがいても子ども達と一緒のお部屋に入り、一緒に先生の話を聞きましょう。参観とは、子どもの良さを発見する大切な場なのです。

こ ど も の 日

こどもの日は、日本における国民の祝日の一つで、端午の節句である5月5日に制定されています。
国民の祝日に関する法律では、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」と述べられ、1948年に制定されています。

この最後の部分を考えますと、母の日はどうなるのでしょうか?
法律には、略して祝日法といいますが、その中には母の日はありません。
母という言葉が記載されている祝日は、こどもの日だけなのです。
さらに、感謝という言葉を表している祝日は、「みどりの日」「海の日」「山の日」「勤労感謝の日」と「こどもの日」の五つです。
そして、感謝とは、ありがたいと思う気持ちを表すこととなっています。
おかあさんに対してありがとうという気持ちを表す子どもに育つよう、園で指導してまいります。ご家庭でもよろしくお願いします。