幼 稚 園 の よ さ

PA05DC004_クリスマス「幼児教育の経済学」という本の中で、忍耐力・協調性・計画性といったものの基礎は、幼少期の環境を充実させること、家庭の経済状況ではなく、成育環境の質が大切であることを証明したと述べられていました。
このごろは、点数で計ることに傾斜しすぎている風潮を感じます。
福岡の点数と全国平均を比べたりすることにどれほどの価値があるのか、それよりも社会人として生き抜いていくための基礎として何が必要なのかを考えていく取り組みの方が大切だと思っています。

例えば、球根植えですと、先生が掘った溝に球根を置かせます。その置き方は多様です。球根の向きについての話を聞きとり、友達と確かめ合う中で置き方を理解します。お友達との置き方の違いを見つけ出します。教えてもらった子どもは、ありがとうと感謝の気持ちを表します。また、去年の球根を使うこと、次の年の年少さんを迎える準備をすること、球根も人も、どちらもつながりがあることも学びます。

子どもが大好きなジャンプに関しては、跳び箱5段の上によじのぼり飛び降りる運動遊びもしています。
飛び降りることへの興味は2歳児頃からと言われていますが、現在の子どもは飛び降りる経験が少ないとも聞きます。おそらく階下の方と騒音問題が起こらぬように、音を出さない躾を厳しくしてあるからでしょう。
ですが、体を使った遊びを経験している子どもは、体力だけでなく、挑戦する心や身を守る力を自然と身に付けていきます。

つまり、幼稚園の良さは遊びの中で、健康で安全な生活をつくり出す力、自立心を育て人とかかわる力、言葉に対する感覚や言葉で表現する力、感性を高め、様々な環境に対して好奇心探求心を持ってかかわる力などを総合的に育てていくところにあります。

園 長井上 健一